眼瞼下垂症手術後に予定外の重瞼線。吊り上げ法で修正…

予定外重瞼線が生じた

眼瞼下垂手術の後に、ふたえの線が乱れることがあります。三重(みえ)になったり、ふたえの谷間が浅くなったり。

自然になおることもありますが、手術をしてなおす必要があることも。

目次

まぶた術後の「ふたえ」の線がおかしい💦

まぶたの手術後の修正対象といえば、

  • 左右差
  • 重瞼線の乱れ

がほとんど。

関連記事:『眼瞼下垂手術の修正の頻度』

「重瞼線の乱れ」について解説

  • 「予定外重瞼線」「予定外線」
  • 重瞼が浅くなる(谷間が浅くなる)
  • 三重になる
  • 二股になる(枝分かれする)

といった表現があります。

一定割合でこの現象は起こります。発生率ゼロにはできません。それはなぜか?正常人でもあるからです。

重瞼ができるメカニズムについては以下の記事を。

関連記事:『予定外重瞼線って?ふたえの線の他に余計なラインがもうひとつ』

もともと重瞼線は「低位」と「高位」の2つあります。この点も、予測を困難にする要素になっています。

関連記事:『重瞼線は2本ある。それゆえ目頭側の重瞼線がふたまたに見えることも』

関連記事:『眼瞼下垂症術後に目尻の重瞼線がふたまたに|二重(ふたえ)の線はもともとふたつある』

重瞼線部分で皮膚切開することのメリット

ふたえの谷間の中で皮膚を切開します。

  • 傷が目立ちにくい
  • 挙筋腱膜や瞼板前組織へのアンカリング(連結を作る)をかけやすい

という利点があります。まぶたを持ち上げる時に、重瞼の谷間(皮膚切開部分)が奥に引き込まれて滑り込んでいきます。

結局はバランスの問題

ふたえの食い込みの力を強くすれば、予定外重瞼線はできにくくなります。しかしながら一方、目を閉じた時にふたえの谷間の食い込みが残ります。

理想の形態は、目を閉じた時のまぶたの皮膚が平坦になっていることです。食い込みが強いヒトは、いかにも「まぶたの手術をした」オーラが出てしまうのです。

目を閉じた状態で、「重瞼部分の食い込みがなくてフラットな状態」が自然だと思うのです。ただし、40歳以上では皮膚がダブつくのでフラットにはなりません。

したがって、まぶたの手術の時の重瞼部分のアンカリングは強すぎないように心がけています。

その結果、「予定外重瞼線」が生まれるのです。

関連記事:『眼瞼下垂手術後のキズの食いこみ』

予定外重瞼線ができやすい人もいる

  • 眼瞼挙筋よりもミュラー筋優位に眼瞼挙上筋が働いている人
  • 目の周りの脂肪が少なくて落ち窪んでいる人
  • 眼輪筋の緊張が強い人

挙筋が有効に動かないと、重瞼部分は引き込まれないのでふたえは浅くなります。まぶたの皮膚を置き去りにして、まぶたの後葉が奥に引き込まれます。まつげが下向きになります。

目が落ち窪んでいる人は挙筋腱膜とまぶたの皮膚との間に脂肪組織がないので眼球の輪郭が浮き出ます。眉骨(まゆぼね)の輪郭も浮き出て重瞼線は消失します。

このようなヒトは重瞼のアンカリングを強くしても重瞼が浅くなってしまいます。

眼輪筋(目を閉じる筋肉)が強い人はふたえの谷間をはじき返す力が強く、平坦になりやすいです。

そもそも論ですが、手術をしていない人でもふたえが不安定ってよくあることです。必要以上に気に病まないようにしましょう。

さて、冒頭に挙げたモデル患者さんの修正です。

重瞼部分の食い込みの癖をしっかり作るための「眉毛吊り上げ法」でなおしました。

予定外重瞼線を修正

吊り上げ法で修正。ほっと胸をなでおろしたのでした。

吊り上げ法とは?

具体的な修正方法は、手術中の写真とともに別記事「予定外重瞼線を治す、もう一歩踏み込んだ方法」に掲載しました。デリケートな写真なので限定公開といたしました。

どうしても見てみたい方は、メール講座を受講してください。

「LINE講座」で該当ページをパスワードつきで紹介します。

一度受講された方は改めて受講手続きをすることができます。

修正手技は別に

修正手技は別ページに

まとめ

以上、

  • 眼瞼下垂術後にふたえの線が乱れることがある
  • ふたえの線の乱れは修正の対象になること
  • 実際のモデル症例

を提示しました。

さて、あなたは、

  • 眼瞼下垂手術ではふたえの谷間を切開するってご存知でしたか?
  • 予定外のふたえの谷間ができてしまうことがあるって理解できましたか?
  • ふたえの谷間の乱れが出やすいタイプを理解できましたか?

あなたの今の二重はどうですか?安定していますか?

あとがき

桜の開花が早いですね!🌸

スマホで「インスタ映え」する写真を撮りたい。「ちょっと違う撮り方」してみました。

キーワードは「逆光」です。

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この記事を書いた人

金沢 雄一郎のアバター 金沢 雄一郎 形成外科専門医

医師免許(第400795号)、医学博士。形成外科専門医。大学病院で眼瞼専門外来を設立。2016年からは独立医師に。所属学会:日本形成外科学会、日本美容外科学会。
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